ネパールでは、小学校には90%の子供たちが入学してきますが、中途退学するものが多く、10学年(学齢では日本の高校1年に相当)を卒業する生徒は、男女合わせて4分の1程度です。退学する理由は、学費が払えないこと(授業料は無料(公立では5年生まで無料)ですが、先生の給料が安いために試験料とか補講費の名目で徴収される)、そして子供たちが重要な労働力であることです。しかし、親たちは、子供たちに高い授業料払って、少しでも良い学校に行かせたいと願っています。それが貧困を脱出する唯一の道だと考えているからです。特に都会に住んでいる家ほどその傾向は強いのです。ネパール政府も就学前教育として、4歳から5歳の幼児と4歳未満の子供と分けて力を入れていますが、財政的に公立の幼稚園の拡大は見込めません。地方には幼稚園がないために、小学校3歳から入学させたりして、本来の小学校教育さえ満足にできない地域さえあります。幼児教育と小学校教育はその目的は異なりますが、小学校のように授業していればいいと考えている幼稚園や、教師も専門的な幼児教育の知識がない幼稚園がほとんどです。専門的な幼児教育ができる幼稚園の多くが外国のNGOによる援助を受けた私立幼稚園です。NHAは大学を卒業した専門の二人の先生が担当しています。幼児たちに必要な教育を施していますが、設備や人員にも限界がありこれからの課題であります。
NHAの幼稚園児(2011年度)は、次の通りです。
教育期間 女児 男児 合計
年少 41 25 66
年中 31 27 58
年長 28 38 66
|